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今、アメリカの起業家や投資家の間で注目されているのが
「AngelList (エンジェルリスト)」です。
「AngelList」は、起業家とエンジェル投資家をつなげるSNS(※)です。今回はこの「AngelList」とソーシャルリクルーティングの関係に関してまとめます。
※エンジェル(投資家):創業間もない企業に対し資金を供給する富裕な個人
「AngelList」はどんなサービス?
AngelListでは、スタートアップ企業に投資したエンジェル投資家が自らの投資実績を公開し、投資してもらいたい起業家が株主情報を実名で公開するサービスです。
■投資家のページには投資実績が掲載
例えば、「LinkedIn」創業者でエンジェル投資家としても有名なリード・ホフマン氏はAngelListで最もフォロワーが多い(2013年6月20日で25,472人)ユーザーです。ホフマン氏のページを見ると、同氏が個人的にどのようなスタートアップに投資したか分かるようになっています。
また、同氏が個人的に1年間で2,500万円程度のエンジェル投資を行なう意思があることや、関心領域や出資後のフォロー内容などが分かるようになっています。
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■企業ページにはVC、投資家の名前が掲載
一方の企業ページでは、出資しているVCやエンジェル投資家の名前が確認できます。例えば、個人の空き部屋を有料で貸し借りするサービスである「AirBnB」は、今アメリカで最も上場に近い企業の1社と言われています。
この「AirBnB」の企業ページを例に見てみると、VCとして「Y Combinator」が出資していることや、「Yelp」のCEOや「Yammer」の創業者がエンジェル投資家として出資していることがわかります。
一見これらの情報は、「CrunchBase」でも掲載されているので同じと思うかもしれません。しかし比較してみると、AirBnBの例でもわかるように個人のエンジェル投資家情報まで詳細に掲載されています。さらにその投資家のページを見れば、その他にどのような投資をしているのかという「出資実績」を軸としたつながり(グラフ)が確認できます。
今まで掲載された企業に対して、すでに23億ドル(1ドル100円として2,300億円!)もの投資が実行されています。
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「AngelList」×ソーシャルリクルーティング
そして、このAngelListが収益モデルとして最も注力しているのが「採用サービス」です。
すでに3,490社の企業が求人を公開しています。AngelListに求職者がアカウントを作成し、自らのプロフィールを入力すると、自分が興味のある領域(タグ)に関連する企業や、自分の友達(Facebookのソーシャルグラフ)に関連する求人情報が優先的に表示されるので、そこから応募することができます。
また新規の収益モデルとして、掲載実績のあるスタートアップ40,000社の関係者やそれらのスタートアップに興味がある登録者16万人以上に対して、企業が求人のスカウトメールを送ることができるサービスを模索しているとのことです。このサービスでは、スカウトメール経由で最終的に採用できた場合、企業はAngelListに採用一人あたり10,000ドル(1ドル100円として100万円)を予定しているとのことです。(出展:Wired Vol8 FOLLOW YOUR ANGEL)
2013年も順調に業績を伸ばすLinkedInのような全方位型のビジネスパーソン向けSNSは、一部EUで上場している「Xing」などあるものの、既に世界的には実質「LinkedIn」1社独占となっています。しかし、AngelListのようにある一定の業界・職種・セグメントに特化することで、その独自性に合致させたコミュニティを創ることができ、その専門性を必要とする求人企業には、最適な求職者と出会う場になります。
当社でも今月「エンジニアに特化したLinkedIn」と表現されることも多い「キャリアに活かせるエンジニアのためのポートフォリオサービス」である「Forkwell」に「AngelList」のように求人機能「Forkwell Jobs」が実装されました。
Forkwell Jobsは、エンジニアに特化したForkwell内の情報を活用することで、今までエンジニアが転職前に知りたくても確認することができなかった働く環境やワークスタイルが簡単に分かる、「開発へのこだわりで探せるエンジニア目線の求人サイト」です。
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まとめ
「AngelList」の求人サービスやForkwell Jobsのように、専門性の高いコミュニティの独自性ある情報を活用した採用サービスは、今までの単なるJob Board(求人サイト)には全くなかった概念・領域です。こうしたサービスは、適材適所のマッチングのみならずセレンディピティ(偶発性)ある出会いを実現する手法として、今後様々な分野で試行錯誤の上、発展することになるでしょう。
また、個人ユーザーも一定の業界、職種での専門技術を継続的に習得し、その情報を特化型コミュニティでアウトプットしてセルフブランディングすることが必要とされる時代(→詳細はコチラ「2025年のはたらくを考える上でのヒントをくれる『ワーク・シフト』」)がもうすでにやってきていることを実感します。